見積作成の合理化 見積ソフト選定の10のポイント

見積作成の合理化 見積ソフト選定の10のポイント

最新の見積ソフトで受注率向上

最新の見積ソフトにより、より多くの案件を獲得し、利益率を高めることができます。しかし、見積ソフトを導入する際、自社のニーズに合ったシステムに投資する必要があります。今回は”10のポイント”についてお伝えします。

1. 将来の要件に対する拡張性

見積ソフトの最も重要な機能のひとつは、もちろん見積もりを計算する機能です。見積ソフトは、中小企業でも大企業でも会社規模に関係なく、利益率を高めるための様々なオプションが用意されています。見積もり件数が多ければ多いほど、見積ソフトの投資費用の回収は早く済みます。
適切な見積ソフトを選択する際には将来について考えることが重要です。製造系のソリューションと切り離さられたスタンドアロンソフトに制限されないことが重要です。企業が成長するにつれて、作業をデジタル化する流れをとるため、その要件が満たされることを事前に考えておく必要があります。

2. 正確性と二次工程

営業が苦労して受注し、現場で頑張って部品を製造したにもかかわらず、不正確な見積もりは利益を失うことになります。そのためにも、迅速かつ正確な見積もりを作成できるシステムを選択することが非常に重要です。
材料価格が上昇し続ける中、可能な限り正確に計算し、プロジェクトに関連するすべてのコストを計算に織り込むことで、実際の費用と違いが生まれないようにする必要があります。一番避けたいのは、顧客に安すぎる見積もりを提示することです。正確な計算のためには、切断、曲げ、溶接等の二次工程に関わらず、作業コストを考慮する必要があります。すべてのコスト要因を考慮するソフトウェアは、詳細かつ正確な見積書を作成するのに役立ちます。

3. 最短時間で見積を作成

最新の見積ソフトにより、顧客からの部品データや図面データをインポートし、わずか数分で見積書を作成することできます。見積作成の担当者は、手作業で何時間も見積書を作成する必要がなくなり、得られた時間を他の業務に充てることができます。
スピードの面では、顧客に見積書を出すのが早ければ早いほど、注文を獲得する可能性が高くなるとの分析結果もあります。

4. 製造原価計算

CAD/CAMとの統合により、製造コストを考慮した高度な見積機能も提供されます。
製造原価計算は、より正確な計算のために製造工程の全体像を提供します。切断の場合、部品を材料に最適なネストが考慮されます。これには、実際のマシンコストやその他のすべての工程も考慮されます。
「ネストされたコスト」は、正確な見積もりのために特に重要です。
部品数量が多い場合、必要な材料枚数を把握する必要があるでしょう。また、部品数量が少量であったり、大きくて長いL字型の部品がある場合、スクラップが大量に発生することもあります。これらのスクラップもコストとして考慮する必要があります。
ほとんどの会社は、特定の作業・工程に必要な時間を計算するための簡単なスクリプトや方程式をすでに持っています。すべてのNC切断機のデータは事前に決定されます。コスト見積もりについては、ユーザーは必要な部品と必要な作業を選択するだけで、全ての計算がバックグラウンドで実行される必要があります。
SigmaQUOTEでは、見積もり作成時に注文の事前計画を立てることができ、受注後にステータスを変更し、製造注文に直接転送することができます。

5. CAD/CAMとの統合

CAD/CAMパッケージとの統合は、あらゆる製造業務にとって大きなメリットをもたらします。見積モジュールを使用することで、高度な図面機能を含む幅広い可能性が備わります。
顧客から受け取った図面がすべてエラーのないものであるとは限りません。時には手描きのスケッチの画像やFAXを受信することもあります。CAD統合の場合、図面をクリーンアップし、ジオメトリを自動的に調整するツールを利用することができます。これにより、CAD/CAMオペレータの貴重な時間を節約することもできます。
すべての見積ソフトがCAD/CAMに統合されているわけではありません。より正確な見積を作成するために図面を有効利用することは、多くの企業にとって重要な機能になります。

6. 見積から加工へ

見積から加工までのエンドツーエンドのデータを提供する見積ソフトを探す必要があります。データを再入力することなく、見積から受注に変更することができます。すべてが自動的に行われ、部品は生産準備に進みます。見積モジュールがCAD/CAMやMRP/MESシステムと連携されていれば、受注後ワンクリックでプロジェクトの状況を確認することができます。

7. 注文のスケジューリング

最も重要な機能の1つは、スケジューリング機能です。この機能は、工場全体のすべての加工作業を計画するために使用することができます。スケジューリング機能を利用することで受注する前でも計画を立てることができます。受注をする前に、どれくらいの納期で納品できるかを知りたいとき、すべての情報を利用することが可能です。これは、特急の注文を頻繁に受ける企業にとって大きな利点になります。

8. 幅広いファイル形式の対応

様々なファイルタイプをインポートできる見積モジュールを選択することは、もう1つの重要なポイントです。企業にとって一番避けたいことは、顧客から受けたデータを開くことができず、見積もりができないと回答することです。
現在、企業が扱わなければならないファイル形式は無数にあります。DXF、SolidWorks、Inventor またはその他の設計データであろうと、これらのファイルのインポートが問題になることは避けなければなりません。

9. 広範なアクセス

見積ソフトを選定する際には、顧客情報、納期など、必要なすべての項目を登録でき、データベース対応のソフトを探すことも大切です。また、簡単に調整や変更ができるように、設定が簡単であることが望ましいです。
たとえば、顧客ごとに割引を適用したい場合や数量価格の設定が必要な場合、これらすべてをモジュールで設定することができることが理想です。交渉があり見積価格を変更したい場合、見積担当者は価格を修正し、設定されたパラメータで再計算するオプションを提供する必要があります。いつでも見積を修正できるようにしなければなりません。顧客から連絡を受け、プロジェクトから部品を削除したり、プロジェクトに部品を追加したりするように求められた場合、それらの指示をソフトウェアに入力することで、トレーサビリティと適切な処理が必要になります。
データベース対応システムは、日々の処理に役立つあらゆる機能を提供することができます。柔軟な帳票対応も機能の一部であることを確認する必要があります。また、ユーザーはすべてのプロジェクトの勝敗(受注/失注)に関する情報を検索できる必要があります。ある期間にどれだけの利益を上げたかについての分析をしたり、コストや平均値を計算したりする必要も出てきます。このような情報は、将来の案件でより良い見積計算を行ったり、価格設定や利益率の傾向を把握したりするのに役に立ちます。これらのデータはすべて、簡単にアクセスでき、いつでも利用できる必要があります。

10. 見積書の標準化

見積システムは様々な形で企業をサポートしますが、その機能は基本的に見積書作成を標準化するために設計されています。高品質なソフトウェアは、工場全体の全工程におけるプロセスを標準化するのに役立つはずです。様々な機能やモジュールを追加することで、このシステムをさらに強力にすることができます。
見積システムが無い場合、見積作成を担当する専任の従業員は1人か2人しかいないことが多いです。これは企業によっては有効かもしれませんが、様々な理由で問題が生じる可能性もあります。各従業員は独自の方法で見積書を作成し、コストを計算する際に異なる指標を利用する可能性があります。また見積書は注文ごとに異なる場合があります。そのため、見積書の作成に矛盾や変動が生じる可能性があります。さらに、見積書の履歴を確認するための方法がないことがあります。
ある案件に複数の人が見積を行う場合、同じ仕事でも見積方法や価格、割引が異なることがあります。これは価格設定ミスにつながり、コストや利益率を予測することが非常に難しくなります。
もう一つの問題は、見積担当者が一人しかいない会社で、その社員が退職した場合、見積作成担当者を新たに教育しなければならないことがネックになります。経験の浅い見積担当者は、計算ミスをする可能性があり、最終的に利益の問題につながったり、失注することが考えられます。見積書の作成がしばらくの間不正確になるだけでなく、従業員がまだ学習段階にある間は、作成が遅くなる可能性もあります。
見積システムでは、このすべてが自動化され、標準化されます。計算、コスト、割引、生産指標、利用可能なすべてのデータは、プロジェクトの適切な見積書を作成するためにシステムによって使用されます。これにより企業は、誰がソフトウェアを使用しているかに関係なく、毎回同じ基準と作業の流れに基づいて同じ見積書を作成することができます。これにより、適切なビジネス・プロセス、ひいてはビジネスの成功にとって非常に重要な要素が確保されます。

今回は見積システムの選定について10のポイントを投稿しました。
SigmaNESTには簡易的な見積機能が備わっています。また、より高度な見積計算には、見積専用のソフトとCADCAMパッケージに追加する見積モジュールを用意しています。
お困りのことがあれば一度ご相談ください。

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https://sigmanest.jp/advantages/manpower/quoting/
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Jun Tanaka

生粋のはまっこ。前職では10年間、3D CADCAMベンダーでコンサルティング営業に従事し、部品加工メーカーや各種金型メーカーへのコンサルティングを実施しました。フットワークが軽く、北海道から九州までの全国のお客様に対しシグマネストの導入を支援します。週末はサーフィンと娘のダンスの応援を楽しんでいます。